【論文検証】飲む日焼け止めサプリのSPFは?

 

前回記事は『塗る日焼け止め』について成分を比較しました。今回は最近話題の『飲む日焼け止めサプリ』の能力について、論文を読み解きます!

2大成分を比較

日焼け止めサプリは数多く売られていますが、現在は『フェーンブロック』と『ニュートロックスサン』のいずれかが配合されている商品がほとんどです。
いずれも抗酸化に優れた成分で、メラニン生成の基となる活性酸素に対抗することで、シミやシワなど紫外線由来の肌ダメージを予防する仕組みです(活性酸素がなぜシミに関係するかは以前の記事で復習しましょう)。この2つの成分の紫外線防御能力を調べた論文をチェックしました。サプリで日焼けは防げるのか!?

フェーンブロックとは?

商品名:フェーンブロック
成分表記:ダイオウウラボシ抽出エキス(PLエキス)

中米のホンジュラスに生息する、Polypodium Leucotomos(和名:ダイオウウラボシ)というシダ植物で、抗酸化作用や抗炎症作用に優れ、現地では民間療法などに使われているそうです。


photo by Forest Starr & Kim Starr

研究報告(※1)では、20名がフェーンブロック1000mgを毎日飲み、UV-BによるMEDが、15日後に14.57%、29日後に20.37%増加しました。

※1.Sergio.S. 2014. The benefits of using a compound containing Polypodium leucotomos extract for reducing erythema and pigmentation resulting from ultraviolet radiation. Surg Cosmet Dermatol;6(4):344­8.

ニュートロックスサンとは?

商品名:ニュートロックスサン
成分:シトラス果汁・ローズマリー葉エキス末

シトラスはグレープフルーツを使っているようです。

研究報告(※2)では、10名がニュートロックスサン250mgを毎日飲んだ場合、MEDが、57日後に34%、85日後に56%の増加を示しました。

※2.Pérez-Sánchez.A. 2014. Protective effects of citrus and rosemary extracts on UV-induced damage in skin cell model and human volunteers. Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology 136 (2014) 12–18

どっちが優秀?どっちが安全?

ニュートロックスサンの29日でのMEDが10%未満のようなので、単純に1か月後の状況を見れば、フェーンブロックの方が紫外線防御は上のようです。フェーンブロックは比較的論文が多く、光老化に対する作用や、肝斑治療の補助サプリとして使うなど、さまざまな効果を調査した論文があり、いずれも結果は好意的です。

ただし前述の論文に関しては、フェーンブロックは被験者が20人、ニュートロックスサンは10人と、非常に人数が少ないです。つまり「副作用についての検証が不十分」です。シトラスとローズマリーなら自分がアレルギー反応を起こさないか思い出せると思いますが、南米のシダ植物に対して自分がアレルギーを起こさないか自信を持って答えられる人はほとんど居ないですよね・・・。これらのサプリを飲む場合は、アレルギーや体の不調が無いか自己管理が必要です。

じゃあ、SPFはどのくらい?

一番大事なSPFを調べましょう。先日私のTwitterで、日焼け止め対策のアンケートを取りました。中には「飲む日焼け止めサプリしか使ってない」という方もいたので、是非この検証を読んでください。

まず、論文で言われているMEDですが、これは「24時間後に皮膚に紅斑を生じさせるのに必要な最小紫外線量」の事です。背中にUV-Bを6段階の強さで照射し、24時間後に赤くなった紫外線の量のことです。図で説明すると・・・

何も塗ったり飲んだりしていない実験前は、赤くなった一番小さいものが70なので、この人の素のMEDは70です。一方、日焼け止めを塗った後は一番小さい数字が1400なので、MEDが1400です。この日焼け止めのSPFは「1400 ÷ 70 = SPF20」です。

さて、日焼け止めサプリの数字を再び出します。

フェーンブロックは服用29日でMEDが20.37%増加。「120.37 ÷ 100 = SPF1.2」です。ニュートロックスサンは服用85日で56%増加。「156 ÷ 100 = SPF1.56」です。現行のSPFを測定・計算する方法だと、両者ともSPF2未満ということが、論文の結果から導き出されます。

日焼け止めサプリは飲むべき?

サプリを販売しているウェブサイト見ると、なんだかサプリだけで日焼け止めができて、塗る必要はもう無いように思えてくるような話がたくさんあります。でも実際はSPF2未満なので、「サプリは塗る日焼け止めの補助」程度にしかなりません。
これらのサプリは日焼け止めだけでなく、光老化対策や肝斑治療の補助として使える『可能性』があるので(現在の研究状況では検証不足で『役立つ』とは断言できません)、体調不良やアレルギーの問題が無い方は飲んでも大丈夫です。

薄々察していたと思いますが、この効果であの価格なら、私は必要は無いと思います。紫外線カットを求めるにしてはコスパが高すぎるので、これを買わない分、コスメか服を買います(笑)
検証や開発はまだまだこれからなのでしょう。今後もっと研究が進んで、今よりも効果が強く、安全になったら使いたいですね!

話題の『飲む日焼け止めサプリ』の実力、いかがだったでしょうか?次回は日傘やアームカバーなどの選び方について考えてみたいと思います!
質問やご意見ご感想、知りたい物のリクエストは私のTwitterで随時受け付けていますので、お気軽にどうぞ!

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