片頭痛シーズン到来!対策まとめ

女性に多いと言われる片頭痛。片頭痛の回数がこの時期に増えるってご存知ですか?先日、イスラム教の断食『ラマダン』が始まったというニュースがありました。今年のラマダンは5月16日から6月14日だそうです。ラマダンの時期は片頭痛が増えるのだそうです。これはラマダンをするイスラム教徒の方だけではなく、頭痛専門医にとっては有名な話。

梅雨は片頭痛がつらいと言う人も多いですよね。これは片頭痛が脱水や天候変化に影響されるからだと考えられています。この季節は風が心地よいですが、意外と乾燥していて、夏ほど水分補給を意識していないので注意が必要です。

片頭痛は全国に840万人以上、慢性頭痛は4000万人以上と推測されていて、3人に1人が慢性頭痛に悩んでいると言われており、頭痛は国民病とも言える数です。身近で頻繁だからこそ、少しでも楽になる方法を学びましょう!

1. これって片頭痛?

あなたの頭痛はどのタイプ?実は頭痛にはたくさんの種類があり、300種類を越えます。片頭痛と名のつくものだけでも、前兆のない片頭痛・前兆のある片頭痛・慢性片頭痛・網膜片頭痛・家族性片麻痺性片頭痛・・・などと細分類されていて全部の説明は無理ですが、「同じ片頭痛仲間でも、痛み方や原因はさまざま」という事だけ理解しておきましょう。

自分が片頭痛持ちか分からないという人は、片頭痛によくある傾向が当てはまるかチェックしてみましょう。

□ ズキズキと脈打つ痛み
□ 頭の片側が痛む
□ 頭痛中は光が眩しい、つらい
□ 頭痛中は音や匂いに敏感
□ 歩行や階段昇降で痛みが悪化
□ 頭痛の際に吐き気がする
□ 休日等ストレス解放後に痛む
□ 気圧・天候変化に左右される
□ 家族に片頭痛持ちがいる
□ 入浴や飲酒で痛みが悪化

これらは片頭痛の代表的な傾向なので、チェックが1つでも付く頭痛持ちさんは、片頭痛かもしれないと疑ってみてください。
片頭痛の人の半数は遺伝が関係しているとも言われており、特に母方からの遺伝が多いと言われています。片頭痛かも?と思う人は親族に片頭痛の人がいないか確認してみると良いでしょう。

【注意事項】片頭痛の人全員に当てはまるわけではありません。なかには後頭部が痛かったり、ズキズキではない痛み方をする人もいます。できればエキスパートである頭痛専門医の診断を受け、適切な治療を受けましょう。

 

ここから片頭痛の予防やNG行為の説明をしていきますが、今まさに片頭痛で光がつらい人は無理せず、休み休み読んでくださいね。

2. 片頭痛はなぜ痛い?

脳の血管が拡がり、その拍動が神経を刺激して炎症を起こし、炎症がさらに血管を圧迫し神経を刺激して、この刺激が脳に「痛み」として認識されると、片頭痛を引き起こします。またこの刺激が視聴覚や吐き気をコントロールする中枢にも伝わるため、光や音に敏感になったり、吐き気を催したりする症状が現れます。

つまり血管が拡張すること(入浴、飲酒、運動など)は片頭痛を悪化させやすいですが、逆に血管が収縮すること(頭を冷やす、暗い静かな場所で安静にするなど)は片頭痛を抑えます。これを基に、予防と鎮痛に何が良いのかをリストアップします。

3. 片頭痛の予防・対策

理由は後述するので、とりあえず一覧を。理屈まではメモしなくていい!という方は一覧だけでも控えておくといいかも。

鎮痛・予防になること

○ 頭を冷やす
○ 暗く静かな場所で休む
○ 水をよく飲む(※1)
○ 屋外でのサングラス(光を遮る)
○ カフェイン(血管収縮)
○ マグネシウム(血管を緩める)
○ オメガ3脂肪酸(抗炎症作用)
○ ビタミンB2(血圧降下作用)
○ カルシウム(脳神経の鎮静)
○ 朝の日光浴や軽い運動(※2)

痛む時に避けたいこと

× 入浴を控える
× 動き回る
× 飲酒
× マッサージ
× スマホやPCの明るい画面

頭痛を誘発すること

△ 赤ワイン(※3)
△ 熟成したチーズ(※3)
△ ハムやベーコンなど加工肉(※3)
△ チョコレート(※3)
△ ピーナツバター(※3)
△ ピクルス(※3)
△ タマネギ(※3)
△ 欠食(※4)
△ 糖質制限(※5)
△ マスクの常用(※6)

片頭痛の仕組みから、カフェインやマグネシウムなどが効果的なのは分かりやすいと思います。市販の頭痛薬にはカフェインやマグネシウムの配合されているものもあり、片頭痛には向いていると言えますね。
良い栄養素に挙げたものを多く含む食材は、例えば・・・ほうれん草、牛乳、ひじき、アーモンド、ごま、大豆製品、魚、豚肉など。カフェインならコーヒーやお茶。他にもたくさんあるので、さまざまな食材から摂取するようにしましょう。
ただしカフェインは利尿作用から水分不足になったり、睡眠の妨げになってストレスになると本末転倒なので、ほどほどの量に抑えましょう。

※1 マーストリヒト大学で行われた研究では、水分摂取を「1日1.5L増やす」よう指導し、3か月後には水分を多く摂ったグループが片頭痛の回数や痛みが少なくなったと判明。

※2 血管収縮作用を持つセロトニンは食物摂取が難しく、朝の日光浴や、朝の運動(ウォーキングで15分程度)によって、体内で生成するのが最適です。

※3 片頭痛にNGとよく言われる赤ワインやチーズ、チョコレートなど。個人差があるので少量なら大丈夫という人もいますが、たくさん食べるのは控えましょう。これらはチラミンという血管を拡張させる物質が多く含まれているためです。ハムやベーコンなどに含まれる亜硝酸塩も片頭痛を誘発すると言われています。

※4 空腹で血糖値が下がると片頭痛を誘発するので、なるべく欠食(ご飯を抜かすこと)はやめましょう。朝ごはんが苦手な人はせめて一口だけでも。カルシウムの摂れる牛乳1杯でも、飴など甘いものでも、何も食べないよりはマシです。

※5 ダイエットなどで糖質制限をする際、過剰に制限してしまうと低血糖を引き起こし、片頭痛になります。最近の糖質制限ダイエットブームで頭痛を訴える方も多いので注意。

※6 マスクを常に着用していると、場合によっては酸素不足になったり、こめかみを締め続けたりと、片頭痛を誘発することになります。マスクを着用しない時間もなるべく設けましょう。

他にも、片頭痛は気圧や天候の変化で生じやすいと言われています。片頭痛持ちの方は、気圧や体内の変化に敏感なタイプとも言えるでしょう。頭痛用の気圧変化を予測するアプリもありますので要チェック。気圧や天候が大きく変わりそうだなと思ったら、その日はなるべく予定を入れずに安静にするのも、自分でできる予防のひとつです。

 

【研究最前線】片頭痛を和らげる色!

片頭痛を引き起こしたり、痛みが強くなる原因の1つとして、目から入る光が関係していることが知られています。
頭痛専門医の丹羽 潔先生は、片頭痛を持つ約550人に対し、照明色と片頭痛の関係を調査。国際頭痛学会(2017年)でその研究内容が発表されました。それによると「青・赤・黄色・白の光は片頭痛を増加し、緑色の光は不快感や痛みを和らげた」とのこと。
日本頭痛学会総会(2016年)の記事(日本経済新聞2016年10月29日)でも丹羽先生の助言として「普段から視界に入るように、観葉植物など緑色のインテリアを置くことも良いだろう」という話が掲載されています。ランプシェードなどを緑にしても良いのかもしれないですね。今はカラーレンズ付き眼鏡の研究も併せて行っているそうです。片頭痛に優しい部屋になれば、痛くて休む時も少し早く治るかも?研究のこれからが気になります。

4. 市販薬?頭痛外来?

今回は片頭痛に悩む女友達のために役に立ちたいと思って情報を集めたのですが、前述の丹羽先生、実は私が10年ほどお世話になっている方です。情報を集めていたら・・・あれ?とビックリしました(笑)
私自身は頭痛持ちじゃないのですが、薬との付き合い方や、頭痛外来に行くべき目安について質問したことがあります。

市販薬で痛みが治まるならそれも良いですが、頻繁に頭痛がするのであれば、頭痛外来に行くべきです。じゃあ、その境目を知るために、1つ質問をします。

「今月は何回、市販薬を飲みましたか?」

正確に思い出せますでしょうか。この回数がポイントなので、頭痛外来に行くか悩んでいる人は、カレンダーか手帳にマークを付けて、毎月の服用回数を知りましょう。薬の種類によって、目安となる服用回数があります。

鎮痛成分が1種類なのか、複数なのかで目安が異なります。
単純鎮痛薬:14日/月
複合鎮痛薬:10日/月
これはあくまで目安ですが、これ以上服用すると、薬の使用過多による頭痛になる危険があります。薬物乱用頭痛とも言います。

主な鎮痛成分
・ロキソプロフェン
・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
・アセチルサリチル酸
・エテンザミド
・イソプロピルアンチピリン
※ 詳細は薬剤師にご相談しましょう

そのくらい飲んでるかな・・・という方は、早めに頭痛外来に行きましょう。特に「頭痛専門医」の先生はとても頼りがいがあります。さまざまな頭痛の人を診ているエキスパートなので、症状に合わせた薬の処方だけでなく、体操や食生活のアドバイスまでしてくれる先生もいます。

この回数以内に収めれば病院に行かなくても・・・という発想はNG。頭痛は我慢するのが一番良くないのです。痛みに耐えるストレスが、頭痛をさらに悪化させます。手が離せなくてなかなか飲めないという状況も分かりますが、それでもなるべく早く飲むように頑張りましょう。寝れば治るだろうなんて我慢はNG!痛みを取ってしっかり寝ないと、翌日に痛みを持ち越す可能性もあるんですよ。

5. 専門家と二人三脚を!

全力で治したい!という方は、迷わず頭痛専門医とタッグを組んで、頭痛改善に取り組みましょう。相手は頭痛治療のエキスパート、頭痛程度で来て・・・なんて言うことはありません。

さきほど「薬を飲んだ回数を記録しよう」と言いましたが、出来れば「いつ・どういう時に・どんな風に痛かった」という頭痛日記も付けましょう。頭痛の種類は300種類以上あり、人によっては複数の頭痛を持っている場合も多々あります。だからこそ、あなたの記録がすごく役に立ちます。頭痛の周期、どういう要素で痛みが誘発されているかの傾向、何をしたら良くなったか、どんな痛みだったか・・・。そんな大事なヒントを書けるのはあなただけ。頭痛専門医はその情報を基に判断できますし、結果として二人三脚で少しでも早く適切な処方・指導に辿り着きやすいです。うまく書けなくても恥ずかしがらないで、思った事はなんでも書いて、話して、医者と協力して克服しましょう。

頭痛外来で処方される薬には、市販薬とは異なるものがあります。市販薬はすでにある「痛み」を鎮めるものですが、トリプタン製剤と呼ばれる中~重度の片頭痛の薬は、片頭痛の元にピンポイントに作用する薬。他にも、片頭痛をあらかじめ予防する効果のある薬もあります。

また今年中には出ると予想されている新薬も、月1度の注射で片頭痛を予防するタイプですが、治験では5割の人が「頭痛回数が半減した」という結果を出しています。登場が楽しみです!片頭痛の治療や予防は日々進化していますので、痛みに向き合って少しでも楽になりましょう。

「頭痛はよくあること」と軽く考えたり、「我慢して寝れば治る」と耐えるのには限度があります。通院が面倒だと感じる方もいらっしゃると思いますが、頭痛によってできなかった事、中止したイベント、それらのストレスは無視できないものです。プロに頼って良いんです。頭痛程度で病院に行くのは大げさ?そんなことはありません。頭痛が続くのはストレス。ストレスは頭痛の基でもあり、万病の基であり、美容の敵です。日頃の食事や環境で取り入れられることは試してみて、頭痛薬を飲んだ回数を数えることから始めましょう!

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