大人女子白書 vol.4:私のお金なんだからエステに100万かけたって別に文句ないでしょ!

主人公 マナミ。27歳。
鷺沼の幼稚園に勤務する。趣味はピアノとフラワーアレンジメント。一人暮らしを始めてから料理にハマり、最近のInstagramの投稿は料理画像がずらり。

「モテる方か?モテない方か?」

と訊かれたら、それはもちろん前者だ。そう自負できる位には、今まで生きた人生で異性にアプローチされる機会は多かった。童顔、美脚、Eカップとくれば、モテないわけがないだろう。

ただし悲しいかな。私の場合、それは学生時代までのこと。

小さい頃から将来は幼稚園の先生と決めていたから、今の園での仕事には概ね満足している。子どもたちは可愛いし、のんびりアットホーム♥がウリの園だから『徹夜で制作物&保護者へ連絡帳書き』なんてことも一切ない。

ただひとつの不満は、異性との出逢いが全くと言っていいほど絶たれている女の園だったということ!!

彼がいたときは気にならなかったその欠点が、別れてしばらく経った頃から、じわじわとボディブローのように効いてきた。

<やばい、このまま出逢いを待っててもダメな気がする。どうする? 誰かに合コン頼もうか? それともダイエットが先?>

彼氏の目から解放されてつい油断していたら、いつの間にか体重が4kgも増えていた! ついこの前はなかったはずの脇腹のお肉を憎々しげに摘みながら考える。

<これは喫緊の問題ね。どうせならお金をかけてでも早く効果が出る方がいいな。痩身エステってどんなもんか一度行ってみたかったし。>

というわけで始めたエステ通い。

一回一回の施術の後に、「綺麗になった」「ボディラインがすっきりした」ってサロン中のエステティシャンが褒めてくれるから、すっかり嬉しくなって通い始めてからもうかれこれ半年が経つ。

一度、友人の愛を連れて行ったこともあった。

いつも担当してくれるエステティシャンさんが「マナミさん、この半年で驚くぐらい足が細くなったんですよ〜! 真面目に通ってくださるからこそ出た結果ですよ^^」ってせっかく言ってくれたのに、愛ったら「でもマナミの足は昔から細いじゃん」なんて腰を折るようなことを言って!

「エステは100万くらいかけないと本当の効果は出ないよ。私はかけたからここまで綺麗になったんだから」って親身に教えてあげたときも、「ふへぇ」だかなんだか気のない返事が返ってきた。

挙句の果てには「どうせやるなら永久脱毛にお金かけた方が堅実じゃない?」なんて! 私は好きで通ってて、実際満足しているんだからほっといて欲しいわ!

羨ましいのかどうか知らないけれど、もう愛を誘うのは辞めようと密かに思う。

((そして1年後))

日曜の午後。表参道のカフェで久しぶりに愛と会うことになった。

「マナミ、彼氏できたんだって〜? オメデトウ♥♥」

「えへへ。ありがとう〜。」

不躾ながら一瞥しての感想は、

<悲しいくらい一年前と変わらないな、この子>

そんな素振りは見せずに私は話を続ける。

「愛はいい話とかないの〜?」

「そんなの全然ないってば! そういえばマナミ、まだあのエステ通っているの?」

「あぁ、あそこ? ううん、行ってないよ。彼氏もできたし、結局大して痩せなかったから、もういいかなって。」

「ほへぇ・・・」

呆れたような愛の返事はとりあえず聞き流すことにした。

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