アーユルヴェーダと出会ったことで“自分の健康”を手に入れた筆者が、働く現代人の視点でアーユルヴェーダの魅力をお伝えするこの連載。
ここからは、実際に日常のなかに取り入れられるアーユルヴェーダの知恵をご紹介していきたいと思います。どれも簡単なことばかりですが、ちょっとしたことで体が軽くなるので、軽い気持ちで試してみてほしいです。
今回は時間帯ごとに分けて書いていきます。

「朝」の習慣を押さえて爽やかな1日を

アーユルヴェーダの習慣を取り入れる際、朝は「スッキリ」、昼は「満足」、夜は「リラックス」をテーマにすると快適な1日が叶います。
特に朝はドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)のバランスを左右する大切な時間帯なので、まずは朝の習慣から積極的に取り入れていきましょう。
日の出前に起床

日の出の96分前から日の出までの時間を、アーユルヴェーダでは「ブラフミー・ムフールタ(黄金の時間)」と呼びます。この時間は血液循環や神経系の動きがスムーズなので、全身の代謝機能の効率が高められるのです。
朝の6時まではヴァータが優位なので、「軽さ」「動き」をもった爽やかな状態で目覚めることができます。可能であれば、12時前に眠り6時前に起きるのが望ましいでしょう。
なかなか布団から出られない日もありますが、グズグズ寝ていると疲れは増すばかり。目覚めてから20〜30分ほど散歩をすると、スッキリしますし、ドーシャのバランスも整いますよ。
舌ゴケの除去

起床後、一生懸命に歯を磨く人は多いですが、意外と見落としがちなのが「舌」。朝の舌には、過去に食べたものの毒素が「舌ゴケ」となって表れています。
舌は健康状態をチェックする絶好のバロメーターなのです。まずは、舌が以下のような状態になっていないか確認してみましょう。
◻︎ 青白い
→貧血、体内の血液が不足している
◻︎ 黄色みがかっている
→余分な胆汁が胆嚢にある、肝臓障害
◻︎ 紫色になっている
→心臓障害
◻︎ 褐色
→肺炎
◻︎ 白色化
→大腸の毒素がたまっている
◻︎ 霜降り状態
→気管支炎
◻︎ 歯型がつく
→呼吸不良
◻︎ ひび割れ
→慢性的な大腸の異常
これらの症状が起こっている場合は要注意! 舌ブラシや専用のへらを使って、舌ゴケの掃除をはじめましょう。ドラッグストアなどでも売っているので、簡単に手に入りますよ。
ただし、歯ブラシだと刺激が強すぎるので使わないように。舌ゴケは朝のうちに取らないと再び体内に逆戻りしてしまうので朝のうちに取り除くことが大切です。
 一杯の白湯を飲む

アーユルヴェーダにおいてもっとも大切な習慣とも言えるのが、白湯を飲むこと。私自身も、この習慣を身につけたことで便秘や肌荒れに悩まなくなってきました。
そもそもなぜ、水ではなく「白湯」なのでしょう。ダイエットや健康のために1日2リットルの水を飲む人がいますが、水を飲みすぎると体が冷えてしまい、腸に必要な栄養も流れてしまいます。
一方、白湯には消化力をあげて毒素を溶かす働きやカパを整える働きがあるのです。
飲むタイミングとしては、朝に一杯、あとは食事のたびに飲むのがおすすめ。不思議なもので、飲み始めはまずいと感じても、腸の状態が整ってくると甘くおいしく感じられるようになります。
【白湯のつくりかた】
1)きれいな水を強火にかけて沸かします。
2)大きな泡が出るくらい沸騰したら、やかんの蓋をとって湯気が上がるようにします。
3)この状態で10〜15分ほど沸かし続けましょう。
4)これをポットや水筒に入れて、1日カップ5〜6杯ほど飲むようにしましょう。1日に1リットル以上飲むと必要な栄養まで流れてしまうので、飲みすぎないように。
オイルうがい

風邪予防のためにうがいをする人がいますが、アーユルヴェーダでは、うがいは水ではなくオイルで行うことを推奨しています。
方法は、加熱処理をしたごま油を大さじ1杯ほど口に含み、クチュクチュうがい、ガラガラうがいをした後に吐き出すというもの。
オイルうがいは、口のなかの粘膜を保護し乾燥を防ぐだけでなく、免疫力も高まります。喉が保護されるので、声の張りがよくなるケースもあるようです。
もしオイルがない時は、カップ1杯のお湯にティースプーン1杯ほどの塩を入れて代用しましょう。
【うがい用ごま油のつくりかた】
1)生の白ごまからつくったごま油(太白ごま油)を鍋に入れて火にかけます。
2)料理用の温度計で測り、90度になったら火からおろし、100度まで上がるのを待ちましょう。
3)自然に冷ましたら完成。密閉容器に入れて保存しましょう。
このオイルはうがいだけでなく、自宅でのオイルマッサージにも使えるものです。ぜひつくりかたを覚えてくださいね。
ポイントとなるものをご紹介しましたが、このほかにヨガをしたり、8時までに朝食を済ませたりするのもおすすめです。

「昼」&「夜」の習慣を身につけて、翌日もスッキリ!

昼と夜は、仕事や家庭の都合などで、朝のような習慣を実践するのは難しいですよね。そこで、簡単にできるもの、ちょっと心がけるだけでできるものを厳選してご紹介します。
昼食は11:30〜13:30の間に、夕食は20時までにすませる

以前、ドーシャのバランスチェックをご紹介しましたが、ドーシャバランスは時間ごとにも変動しています。
前述のとおり、朝6時まではヴァータ(風)が優位ですが、その後6〜10時はカパ(水)、10〜14時はピッタ(火)が優位となり、日没にかけて再びヴァータが優位となります。食事もこのサイクルに合わせると、体の負担が減らせるでしょう。
昼食の時間帯はピッタが優位なので、1日のなかでもっとも消化力が高い時。昼食は量・質ともにたっぷりと食べても問題ありません。重いものも昼に食べると良いでしょう。
食後は休息の時間を設けた方がいいので、11:30〜13:30の間にすませ、14時まではのんびり過ごしてください。その後、再び仕事や家事に取り組みましょう。
夕食の時間帯、18〜22時にかけてはカパが優位なので、消化力はあまり高くありません。また寝る直前に食べるのはよくないということも考慮すると、消化しやすい食事内容で20時までにはすませておきたいところです。
お風呂は夜に入るように

夜は、とにかくリラックスして良質な睡眠をとることが大切。入浴もそのために行いましょう。半身浴なら、運動不足や冷え性がある時だけでなく、心をほぐし、満たしてくれます。
40度くらいのお湯をはり、湯量を少なくするかバスタブのなかに椅子を置くかして、おへその上までお湯につかりましょう。
この時、バスタブのふたは半分締めて両腕が外に出るようにしておき、そのままゆっくりと20〜40分ほど入浴してください。
もし20分半身浴をしても汗が出ない時は、ヴァータかカパが乱れて体が冷えている証拠。半身浴を続けるうちに冷えも改善できるので、気になっている方は試してみてください。
次回は、女性ならではのお悩みについて、アーユルヴェーダの観点から原因と解決法をご紹介していきます!
<参考>
毒を出す生活ためる生活(PHP研究所)
アーユルヴェーダ入門(地球丸)
現代に生きるアーユルヴェーダ(平河出版社)
黄金のアーユルヴェーダセルフマッサージ(河出書房新社)

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