アーユルヴェーダと出会ったことで“自分の健康”を手に入れた筆者が、働く現代人の視点でアーユルヴェーダの魅力をお伝えするこの連載。
今回は働く女性に多い悩みを取り上げ、アーユルヴェーダでできる改善法をご紹介していきます。
これまで「病院に行くほどではないから」と我慢していたり、薬でごまかしていたりした症状がある方は、試してみる価値ありです!

働く人に起こりがちな体の悩み


まずは日常的に起こりがちな不調を取り上げていきます。たとえちょっとした不調であっても、軽減されれば仕事や家事の効率も上がるはずです。
頭痛
ひと口に「頭痛」と言っても、症状はさまざま。実は頭痛の要因と改善法は、ドーシャタイプ別に分けることができます。
現代人に多いのは、緊張や冷えによって後頭部に起こる緊張性頭痛ですが、これはヴァータ性の頭痛といえます。また、頭や体が重だるい感じがするものはカパ性頭痛、偏頭痛やズキズキと痛むものはピッタ性頭痛です。
アーユルヴェーダでできる対処法としては、頭のセルフマッサージが挙げられます。ヴァータ性頭痛の場合は温めたオイルで、ピッタ性頭痛はビャクダン粉を水で練ったもの、カパ性頭痛はショウガ粉を水で練ったものを使うと効果的です。
10本の指すべてを使い、指の腹で頭皮を押し込みながらくるくると全体をマッサージしましょう。
便秘
便秘は、ヴァータやカパが増大したために起こると考えられています。1杯のホットミルクに「ギー」と呼ばれる精製バターを1匙入れ、就寝前に飲むのがおすすめ。
ギーは万能な薬効があるとされており、バター代わりに料理に使うこともできます。作り方を以下で紹介するので、ぜひ活用してください。

1)無塩バターを鍋に入れて火にかけます。溶けると表面に白いクリームが浮き出し、下には黄金色の油ができます。
2)火を弱め、表面のクリームをスプーンですくい取っていきます。クリームの泡がなくなるまで、時間をかけて取り除きましょう。
3)ギーが透明になったら完成。冷ましてからガラス容器に移しましょう。
もしホットミルク+ギーを飲んでも便秘が改善されない時は、白湯にレモン汁と塩を入れたものを飲んでみてください。
眼精疲労
PCやスマホが欠かせない現代人にとって、眼精疲労やドライアイは深刻な悩みとなっているのではないでしょうか。眼精疲労から頭痛を発症している人も少なくないでしょう。
目の疲れには、先にご紹介した精製バターのギーがおすすめ。寝る前に、仰向けになって以下のケアをしてみてください。
1)小麦粉を水で練り、耳たぶくらいの固さにします。
2)練った小麦粉で目の周りを囲い堤防を作ります。
3)目を閉じ、堤防の中に温めたギーを注ぎます。
4)ギーを注ぎ終えたら、そっと目を開け、眼球を左右に動かします。
5)ギーをコットンで吸い取ります。
6)蒸しタオルで目の周りを拭き取ったら終了。
消化不良
消化不良を改善するには、消化器官の負担を減らすことが第一。無理に食べる必要はありません。空腹感がない時は、白湯だけを飲んでください。
少し食べられそうな時には、刻んだニンニクに塩と重曹をかけたものや、玉ねぎのジュースに蜂蜜、黒胡椒を加えたものを口にしましょう。そのうちヴァータの乱れが整い、食欲が回復してくるはずです。

女性特有の悩み


続いては、女性特有の悩みを取り上げます。1人でできる治療法ばかりなので、人に相談しにくい悩みもこっそり改善できます。
生理痛
生理中はヴァータが増えやすので、ヴァータが増加しやすい食べ物や行動は控えましょう。炭酸飲料、チーズ、肉、ヨーグルト、チョコレート、揚げ物はNG。油っぽいものが欲しい時は、油の代わりにギーを使いましょう。
洗髪や頭のマッサージも極力控えておきたいところです。また生理痛がひどい時には、大さじ1杯のアロエゲルに黒胡椒を加えたものを飲むと痛みが和らぐと言われています。
PMS(生理前の情緒不安)
アーユルヴェーダでは、生理は体を浄化するための重要な時間とされています。期間中はとにかく体を冷やさないことが大切。生理前は半身浴で体を温め、腹部を時計回りに優しくマッサージしましょう。
PMSや腹痛が気になるときは、温めたオイルでマッサージするのも効果的です。ただし生理開始から3日間は行わないでください。

メンタルの悩み


落ち込んだり、イライラが止まらなかったり……自分でコントロールしきれない心の揺らぎに悩まされることはありませんか? アーユルヴェーダでは、こうした心の悩みにもアプローチできるんです。
鬱々する
うつにはさまざまな種類がありますが、現代人に多いのはピッタタイプの憂鬱を抱えた人。願望を持つ力が衰えてしまい無気力に陥ってしまうタイプです。
この状況を改善するには心に満足感を与えてあげることが大切なので、朝ゆっくりお風呂に入る時間を設け、ご褒美を与えましょう。
ちなみに心のピッタが弱くなると、目がかすみやすくなったり、暗がりだと見えにくくなったりすることがあります。心当たりがある人は早めにケアしましょう。
なぜかイライラする
アーユルヴェーダでは、食べ物と心の状態とは深く関わっていると考えられています。疲れている時には甘いものが欲しくなりますが、イライラが止まらない時は甘いものを控えるようにしてください。
また、量の多い食事はカパを増やし心も重くするので、食べ過ぎないよう注意が必要。特に朝食は軽く済ませましょう。早起きをしたり、シャワーを浴びたりして体を温めることも大切です。
寝つきが悪い
寝つきが悪いことに悩んでいる人はもちろんですが、たっぷり寝たつもりなのに朝起きると疲れているという人は要注意。「かくれ不眠症」の可能性があります。
睡眠は「時間」だけでなく、「深さ」も大切なのです。良質な睡眠をとるには夜10時半までに寝ることがポイント。
そのほか、入浴後は自然乾燥ではなくちゃんと髪を乾かすこと、ヴァータが乱れやすい14時〜18時の間に30分ほどリラックスする時間を設けてヴァータバランスを整えることなども、質の良い睡眠へと導いてくれます。
次回は、アーユルヴェーダサロンがどんなところなのか取材したいと思います。どんな施術をしているのか、詳しくご紹介します!
<参考>
毒を出す生活ためる生活(PHP研究所)
アーユルヴェーダ入門(地球丸)
現代に生きるアーユルヴェーダ(平河出版社)
黄金のアーユルヴェーダセルフマッサージ(河出書房新社)
あーユルヴェーディック・アロマテラピー(ブラス出版)

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