アーユルヴェーダで“自分の健康”を手に入れよう(3) 〜毒をためない体になろう〜

アーユルヴェーダと出会ったことで“自分の健康”を手に入れた筆者が、働く現代人の視点でアーユルヴェーダの魅力をお伝えするこの連載。

前回はアーユルヴェーダ式体質チェック「ドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)チェック」の方法を書きましたが、ご自身のタイプは確認できましたか?

今回は、ドーシャのバランスを整えていくうえで大切な“循環”についてご紹介していきます。

アーユルヴェーダにおける“循環”とは?

便秘がちになったり、食欲が不安定になったりしているヴァータタイプの人はいませんか? ピッタタイプの人、口内炎や、肌のかゆみ、湿疹に悩まされていませんか? 私もそうでしたが、冷え性やむくみが慢性化しているカパタイプの女性も多いのではないでしょうか。

実はこれらはすべて、体がうまく“循環”できていないために起こる症状。アーユルヴェーダでは、こうした不調を解消・予防するには、毒素を排出し循環できる体にすることが大切だと考えられているのです。

では「毒素を排出し循環させる」とは、具体的にどういうことでしょう?

たとえば熱が出た時、病院で下熱剤を処方されることがありますよね。下熱剤を使うとすぐに熱が下がって楽になったように感じますが、薬の特性によってだるさや倦怠感が残るケースもあることが証明されています。

しかし、特に服薬しなくても、暖かくしてたくさん汗をかけば、おのずと熱は下がり、だるさが残ることもありません。

このように、西洋医学では症状を「抑える」方向に治療することが多く、効果は大きいものの弊害もあります。一方、症状を「抑える」のではなく、自ら毒素を押し出しせる体をつくることで治癒を目指すのが、アーユルヴェーダです。

消化力の乱れ、老廃物の蓄積をチェック

人の体を循環させる際に欠かせないのが、“消化”。アーユルヴェーダでは、消化力のことを「アグニ」と呼びます。アグニは人間の体を構成する元素のうち「火」のエネルギーのことで、食べたものを消化させ、代謝を促す役割を担うものです。

アグニの調子が良いと消化や排泄がスムーズに行われますが、アグニが弱まるとうまく消化できず、残ったものが老廃物となって体内に蓄積されます。すると、体が本来もつ機能や免疫力が弱まってしまいます。

しかし、アグニは強ければ良いというものでもありません。アグニが強すぎると、体内の老廃物を焦げ付かせてしまい、胃酸が出すぎて胃を傷つけてしまったり、食べすぎて糖尿病を引き起こしたりすることがあるのです。

前回ご紹介したドーシャのバランスとアグニは深く結びついていて、ドーシャのバランスが崩れると、それに伴いアグニのバランスも崩れてしまいます。ここでは実際にどのくらいアグニのバランスが崩れているのか、チェックしてみましょう。

アグニの乱れチェック
体重が増えてきた、あるいは痩せてきた
食欲不振、お腹がすかない
食べても味を感じない
胸焼けがする、すっぱいものがこみ上げる
口の中がネバネバする
ニキビや歯槽膿漏などの化膿病変が治りにくい
尿が濁っている
便秘、下痢が慢性化している
悲観的な考えばかりが浮かぶ
おならの臭い、体臭、口臭がきつくなった
関節やかかとが理由もなく痛い
寝起き時に体がこわばっている

タイプ別! 循環させる体のつくり方

いかがでしたか? チェックの数が多いほど、アグニのバランスが崩れているということになります。前回のドーシャ(体質)チェックと今回のアグニ(消化力)チェックをしたら、自分の体がどんな状態なのか、わかってくるのではないでしょうか。

アグニのバランスの崩れ方・対処法は、ドーシャのタイプによっても異なるので、ここからはタイプ別にアグニの整え方をご紹介していきます。

アグニが不安定
ヴァータ(風)タイプの人が陥りやすく、消化がスムーズな時とそうでない時があります。まずは不規則な生活を改め、3食決まった時間に摂りましょう。

消化力は1日のうちで昼がもっとも活発なので、昼は油分を含む温かいものや穀物を摂るのがおすすめです。つい甘いものを食べてしまう人は、調理の際に岩塩を積極的に使い、満腹感を得ましょう。

アグニが強すぎる
ピッタ(火)タイプの人が陥りやすいタイプです。消化力が強すぎるため、食事量が足りないと、自分のエネルギーを燃やして体力を消耗してしまうことがあります。アグニを整えるためには、食事を抜いたりせず、きちんと3食食べることが大切。

とはいえ、遅い時間に肉、魚、油、穀物、アルコールを摂りすぎると、アグニがさらに乱れることがあります。野菜や豆類を中心に食べましょう。

アグニが弱い
カパ(水)タイプの人が陥りやすいタイプです。アグニが弱くて鈍いため、少量の食事によって消化不良を起こし、老廃物が増えやすくなります。冷たいものや油物、間食は控え、空腹の状態で食事を摂るように心がけましょう。

また、胃腸を温める効果のある白湯を、1日700ml程度飲むのがおすすめ。ちなみにカパタイプの私は、白湯を積極的に飲み続けたら、長年悩んでいた便秘が解消されました。

循環をスムーズにして幸せエネルギーを蓄えよう

アグニのバランスが整い、循環がスムーズになると、体内の老廃物が減ります。すると今度は、代わりに「オージャス」と呼ばれるエネルギーが体に満ちてきます。

オージャスとは、「生命力」という意味。消化力や代謝力が高まることで生まれる生命エネルギーのことで、オージャスの量で健康の度合が決まると言われています。

オージャスが増えると病気になりにくい体になるだけでなく、肌のツヤや声のハリ、幸福感といった“内側からの輝き”をもたらしてくれるんです。健康になるには、体を循環させて老廃物を減らすことが大切ですが、同時にオージャスを増やすこともポイントになります。

オージャスを増やすには、食生活を見直し、消化力を整えることが大切。以下の点に注意して、オージャスを増やしましょう。

オージャスを増やす食事
・牛乳、米、小麦、熟したフルーツ、なつめ、非加熱のはちみつ、ココナッツ、アーモンド
・温かくできたてのもの
・その季節、その地方で採れた旬のもの
・1回の食事で甘味、酸味、塩味、辛味、渋味、苦味の6つの味をバランスよく摂る

オージャスが増えると、自分が持つドーシャ本来の良さが引き出され、個性が良い方向に発揮されるようになります。それこそが、アーユルヴェーダが提唱する、その人なりの“健康”につながるのです。

次回は少し踏み込んで、アーユルヴェーダ式“心の健康”をご紹介したいと思います。イライラすると人に当たってしまう、心を閉ざしてしまう……こうした問題も、実は自分の性格のせいではなく、ドーシャの乱れが関係している場合があります。

アーユルヴェーダで、体だけでなく心の不調もケアしていきましょう。

<参考>
毒を出す生活ためる生活(PHP研究所)
なぜ人は病気になるのか アーユルヴェーダで超える健康と病気(出帆新社)
現代に生きるアーユルヴェーダ(平河出版社)

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