私たちが日常的に浴びる2種類の紫外線UVAとUVB。この二つの特徴をご存知ですか?何度耳にしていもなかなか思い出せないことはないですか?
実はまったく性格の違うUVAとUVB。イメージをつかめればきっと簡単に覚えられるはずです。今回はこの二つのUVの特徴と、一緒にPAとSPFを掌握しちゃいましょう。
UVAは “ 蜂 ” UVBは “ウニ”
生物に例えるとUVAは透明な蜂、UVBは黒いウニ。
UVAは、蜂の針のように直線的に真皮※1まで射し込みます。視覚的な炎症は見受けられませんが、細胞を破壊する元凶になり火種を残していきます。
UVBは、ウニが鋭いトゲを刺しながらごろごろと転がるように、表皮※2のあちこちに散乱します。ひどく赤い炎症が起きたり、メラニンがたくさんつくられたりする原因になります。
肌は大きく分けて2層になっています。
※1…より筋肉に近い内側の部分。肌を支えている土台。
※2…より肌表面に近い外側の部分。外的刺激から肌を守る。
UVAが90%、UVBが10%
地上へ降り注ぐ紫外線のうち、私たちの肌へ届く紫外線の割合はUVAが90%、UVBが10%。肌の真皮まで届くUVAが大半を占めています。こう聞くととても怖いものに感じると思いますし、特別な日焼け止めが必要なの?とも思うかもしれません。
UVAは2種類あり「UVA1」と「UVA2」に分類されます。UVAのほとんどはUVA1で占められていますが、細胞を破壊するのはUVA2のみであると一般的に言われており、多くの日焼け止めはこれらを防ぐ効果を持っています。※1
紫外線 | 10% | UVB | 肌表面(表皮)まで届き、強い炎症をおこす | ||
---|---|---|---|---|---|
90% | UVA | 20% | UVA2 | 肌老化への影響が極めて高い | |
80% | UVA1 | 最も真皮深部まで到達するが無害(と言われている) |
※1…日焼け止めの表記「PA」によります。+(プラス)が4つ、ついたものはUVAへの効果が極めて高くしっかりと防御してくれます。
UVAは、Aが一緒の《PA》
UVBは、Aが無い《SPF》
「どちらにも“A”がつくほうが一緒」と覚えておくと区別しやすいです。日焼け止めはUVAとUVBを防ぐ効果がどの程度あるのかをそれぞれPAとSPFで表記しています。
\PAは <UVAの防止効果>/
\SPFは <UVBの防止効果>/
「ふつう肌の人が25分で日焼けを起こす」と基準にして計測しています。
日焼け止めを塗らなかったほうの肌の日焼け具合と、同じ程度の日焼けを起こすにはどのくらいの時間が必要だったか、ということがSPFからわかります。対象の日焼け止めの防御力の目安になります。
20時間もあたり続けないから、高SPFは必要ない?
SPFは日焼けを伸ばせる時間と捉えられがちですが、SPFからわかる時間は日焼け止めの持つ防御力の目安です。あくまでも、「試験ではこれくらいの時間が耐えられる(必要)とわかったよ」という時間を教えてくれています。
実際に20時間以上必要な方へ向けてつくっているかというと、やや齟齬が生まれてしまうかもしれません。
体質や生活習慣を踏まえて日焼け止めを選ぶ必要があるのはこの事が関係しています。「水作業が多い」「擦りやすい」「紫外線アレルギー」……日常でも高SPFを用いたほうが適している方ももちろんいらっしゃいます。
さいごに
同じ道のりでも「建物の影ができた場所を毎日毎日歩いて通勤する人」と、「陽の照った場所を毎日毎日歩いて通勤する人」とでは日焼け止めの数値が変わることでしょう。
その方がどのくらいの時間どの程度の紫外線を浴びて毎日を過ごすかは、その方だけが知っています。「日常生活はこのくらいで十分」とははっきり断言できないのがむずかしいところです。
UVAとUVB、PAとSPFについては、なんとなく把握はできましたでしょうか。
日焼け止め選びはアラカルトを選ぶよう。自分にはどの程度の防御力が適しているのかを選ぶためには、日焼け止めについてもう少し知る必要があります。判断に自信が持てない方は、どんどん美容部員さんやお医者さんにお手伝いをしてもらってみてくださいね。